液体が混入してしまったMacBookAirの修理
広島県、T様からのご依頼
使用中にMacにミネラルウォーターをこぼしてしまい、そのまま電源が落ちて、全く起動しなくなったとのご相談。
水に限らず、液体の混入による故障は、全て水没修理というカテゴリに分類されます。
実際確認してみないと、故障箇所の断定ができないため、ロジックボードの故障であれば、2015年モデルまでの場合25,000~35,000円ほど、その他のパーツも故障していれば、故障箇所に応じてプラス料金が発生しますと仮見積もり。
見てもらいたいとの事でしたので、お送りいただきました。
因みにモデルにもよりますが、ロジックボードの交換の場合は、最低でも50,000円、高ければ10万円を越えるような修理になる場合もあります。
分解と調査
まずは状態を確認します。アダプタを取り付けると、ランプは点灯しているが、起動しない状態でした。
水没修理で電源が入らない場合、様々な可能性が考えられます。
キーボードの電源ボタンが故障してしまっている場合は起動できなくなりますので、正常に動作するキーボードを仮取付けして電源が入るか確認したり等、確認に時間がかかります。
ボードのみにしても電源が入らなかったので、ロジックボードの故障は間違いありません。
その後、正常に動作するロジックボードを取り付けてみて、その他のパーツが故障しているかどうかの確認を行います。
今回は、特にロジックボード以外は故障していませんでしたので、事前のお見積もりの金額で修理ができそうでした。
ボードの裏を確認してみると…。
かなり広範囲に水没しています。チップが一部だけ水没してるとかだと良いんですが、ここまで広範囲だと他店ではそもそも修理を行おうとせず、ロジックボードの交換対応となる場合がほとんどです。
まずはこれを、専用の洗浄剤や、イソプロピルアルコール等で除去していきます。飲み物の種類によって、熱を加えたり、使う薬剤を変えたり、汚れを落とすためにクリーニング屋さん並に洗浄剤を使い分けます。
水なら楽なんですが、実際には糖分の入った飲み物や、お酒、タンパク質入りで落ちにくい牛乳等、何をこぼして水没したかによって、それぞれ違った方法で洗浄を行います。
完全には無理ですが、動作に問題が無いレベルまで洗浄作業を行いました。
その後、腐食していたパーツやICの交換を行います。
今回はこの2箇所が故障してしまっていたため、交換を行いました。
上はCPUにクロック信号を送るICです。これが故障してしまうと、CPUが動かないため起動しません。
下は充電を行う回路のチップ抵抗です。こちらも起動や充電に関わってくるので大事なパーツです。
大事じゃないパーツは無いんですけどね(笑)
電源が無事に入るようになり、キーボードや全てのデバイスのテストも正常でしたので、広範囲の水没でしたが、ロジックボードの修理作業のみで作業完了となりました。
今回かかった時間と料金
今回かかった料金ですが、水没の範囲が広範囲だったため、洗浄作業に結構時間がかかってしまいました。しかし、基板の修理のみでしたので事前見積もり範囲内での修理となりました。
水没修理費用…28,800円+往復送料(約3,000円)
修理にかかった時間ですが、4時間程です。洗浄と故障箇所探し、回路に異常が無いかのチェックでかなり時間がかかってしまいます。
その後お客様の元へご返却し、無事に動作しているとのご連絡をいただきました。
お客様にも大変喜んでいただき、当店としましても大変嬉しく思いました。
今回の記事のように、「水や飲み物をこぼしてしまった」「以前こぼしてしばらく使えたけど、起動しなくなった」
等の症状があれば、是非当店にご相談ください。必ずお客様にあった修理のご提案をさせて頂きます。