2014年Retina 15インチモデル 自然故障の修理
愛媛県、S様からのご依頼
水没等何も無く、突然起動しなくなってしまったとのご相談。アダプターのランプは点灯しているかお尋ねすると、オレンジ色に光ってるとの事でした。
事前の見積もりにて、「25,800円~32,800円」程度の費用になる事をお伝えし、ご了承の上郵送していただきました。
分解と調査
翌日Macが到着しましたので、まずは状態の確認。
申告通り、ランプオレンジ色に点灯していましたが、一切通電しない状態でした。
分解して確認してみましたが、水の跡などは全くなく、綺麗な状態でした。
水没ですと、緑のカビっぽいものが発生するのですが、そういったものは全くありませんでした。
原因の調査と修理
自然故障とのご申告で、内部を確認してみると水没しているといった事があるのですが、今回はそういった事はありませんでした。
ロジックボード単体での起動を試みても起動しませんので、ボードの故障が確定となります。
水没や破損の形跡が無く、自然故障してしまった場合は、大体の場合コンデンサという部品の故障となります。
コンデンサという部品は、ボード上に数百個取り付けられていて、その内一つでも故障すると、一切起動しなくなってしまいます。
数が多いので、どのコンデンサが故障してるかを探すのに、どうしても時間がかかってしまいます。
今回はこの箇所が故障していました。
音を出力する回路、平たく言うとスピーカーの回路のコンデンサがショートして起動しなくなっていました。
音の回路なのに起動しなくなってしまうの?
という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、ボードは電気的に全て繋がっているため、何の回路であろうが起動しなくなってしまいます。
これがスピーカーの故障であれば、音が出なくなるだけなんですが、ロジックボードはどこかしらのコンデンサが一つ故障するだけで、すぐに起動しなくなってしまうんです。
原因が分かったので、不良コンデンサを交換します。
確認すると、ショートが取り除かれたので、起動するはずですが、通電はするが起動しない所謂文鎮状態になってしまいました。
アップデートの途中などで電源が強制切断されると、起動に必要な情報が書き換わる前に止まってしまい、結果通電しても起動できないという状態になってしまいます。
しかしここはプロである我々、全く焦ること無く起動に必要な情報を再プログラムしていきます。
こちらのチップに初期起動に必要な情報が書き込まれている途中で電源が落ちてしまってますので、取り外して正常な情報を書き込みます。
因みに、ファームウェアパスワードや本体のシリアルなんかもこのチップに記録されているため、解除や変更を行う際には、こちらを外して書き換えを行います。
動作確認とテスト作業
起動はもちろんの事、分解していますので、音がでるか、USBが認識するか等、動作に異常が無いかをチェックしていきます。
我々も人間ですので、組み立て時にたまにケーブルを差し忘れたりしちゃうんです。
その為、地味ですがこの確認作業はとても大切な作業なんです。
お客様の元に届いた後でトラブルがあるとご迷惑をおかけしてしまいますので、ここは手を抜かず毎回厳しいチェック項目にそってチェックしていきます。
今回はこれ以上の不具合も無く、これにて修理完了となりました!
今回かかった時間と料金
今回の作業は4時間程でした。不良箇所を見つけるのに時間がかかり、更にICをプログラムしたりしてましたので、案外時間がかかってしまいました。
さて今回実際かかった費用ですが、
ロジックボード電源回路修理費用…28,800円+送料(約1,400円)
となりました。特に追加の修理もありませんでしたので、最初の見積もり内での修理となり、お客様にも大変ご満足いただきました。
今回の修理のように、突然起動しなくなってしまった・アダプタのランプは点灯するが起動しない等の症状が出てしまった方は、是非当店にご相談ください。
もちろん、お見積もりやご相談だけでも大歓迎です! スタッフ一同心よりお待ちしております!!