水をこぼして電源が入らなくなったMacの修理
神奈川県、K様からのご依頼
使用中にMacに水をこぼしてしまい、全く起動しなくなったとのご相談。
水没と呼ばれるこの修理は、本当にどこまで故障しているか、見てみないと分かりません。最悪修理不可や、お客様のご予算オーバーでご返却となるケースもよくあります。
ロジックボードの故障であれば、20,000~30,000円ほど、その他キーボード等も故障していればプラス3万円程度かかってしまいますとご案内し、了承をいただいたため作業開始となりました。
早速分解と調査をしてみる
まずは状態を確認します。アダプタに、通常緑またはオレンジに光るランプがあるのですが、一切光りません。
これは、アダプタのはき出せるアンペアを越えて回路が要求してきているため、安全装置が作動してアダプタが止まっている状態を意味します。水没が原因なので、きっとどこかの回路がグランドにショートしてしまっているのでしょうね。こうなると、その回路はほぼ0Ωとなるため、無限アンペアを要求する事になります。
これ以外にも原因はあるのですが、水没なのでその他の原因はとりあえず無視します。
小難しい話は置いといて、分解してみた所
見事に水没していますね。でも範囲はそれほど広くなく、しかもこれ裏側なので、キーボード等の部品は問題なさそうです。
分かりにくいのですが、赤丸の中の緑になってる物が、緑青(りょくしょう)と呼ばれるものです。
水がかかって電気が流れると発生するのですが、何で緑なのかはすみません、知らないです(笑)
まずはこれを、専用の洗浄剤や、無水エタノール等で除去していきます。ご自身で作業される方は、ドラッグストア等に無水エタノールっていうのが売ってるので、それで洗浄してみてください。あくまで自己責任で!
洗浄が終わった後の写真をうっかり忘れていましたが、無事洗浄が終わりましたので、各部のチェックをしていきます。
今回は、写真左の赤丸のICのパターンが切れていました。基板にはそれぞれ繋がる「道」が走っており、それが切れると正常に動作しません。電源が入っても、一部機能が使えなかったりとかそういった不具合がでてきます。
切れている道を、エナメル線で繋いであげて電源が入るかの動作チェックです。
急いで作業してたため、洗浄や補修後の写真を忘れてしまいました。もっとしっかりせねば…。
仮組して動作のチェックです。ここで電源が入らないと、再調査になります。
無事に電源オンとなりました。アダプタランプも点灯しているし、充電もOKです。
その後入念に各部の動作チェックをし、不具合が無い事を確認しましたので、修理完了となりました!
今回かかった時間と料金
今回かかった料金ですが、幸い水没の範囲もせまく、キーボードやその他の部品も正常だったため、ぐっとお安くする事ができました。
水没修理費用…20,800円+送料(約3,000円)
修理にかかった時間ですが、3時間程ですね。細かくチェックや洗浄を行うので、意外と時間がかかってしまいました。
届いたその日に梱包作業を済ませ、無事発送となりました。
お客様にも大変喜んでいただき、当店としましても大変嬉しく思いました。
今回の記事のように、「水や飲み物をこぼしてしまった」「以前こぼしてしばらく使えたけど、起動しなくなった」
等の症状があれば、是非当店にご相談ください。必ずお客様にあった修理のご提案をさせて頂きます。