ジュースをこぼして電源が入らなくなったMacの修理
東京都、Y様からのご依頼
MacBookAir 13インチ 2017年モデル、A1466の修理のご依頼。
Macを使用中にジュースをこぼしてしまい、それからアダプタの電源ランプも光らず、一切起動しなくなってしまったとの事。
事前の見積もりにて、「25,800円~32,800円」程度の費用になる事をお伝えし、ご了承の上郵送していただきました。
Macが到着、状態の確認へ
まずは軽く分解、内部に液体が残っていないか確認して、症状を確認します。
水没修理の場合、内部に液体が残っているのにそのままアダプタを繋いだり、電源を入れようとしてしまうと、状態を悪化させてしまう場合がありますので、まずは内部の確認から行います。
見た目は特に水が残っている形跡がありませんでしたので、アダプタを接続。申告通りランプがつきません。
当店のアダプタが故障している可能性もあるため、2~3アダプタを変えて確認するも点灯せず。本体側の問題との判断となりました。
裏蓋を開けた右側に、I/Oボードという小さな基板があるのですが、それが故障しているとランプが点灯しなくなったりします。ロジックボードのみを取り外し、テスト用のI/Oボードで確認するもランプは光らず。
原因の調査
基板を裏返してみると・・・。
かなり広範囲に激しく水没していました。普通の修理業者なら、見た瞬間ロジックボード交換の判断になるかと思われます。
実際見た瞬間「これ修理できるかなぁ・・・。」という心の声が漏れました(笑)
もちろん全ての基板を修理できるわけではありませんので、洗浄や調査等を行って修理が不可能との診断になる場合もございます。その場合は、ロジックボード交換の見積もりをお客様に提示し、金額を確認してから修理を行うかを判断していただきます。
色んな作業は行っていますが、その段階で予算にあわず修理をキャンセルされる場合は、作業料等は一切いただかずのご返却となります。送料のみお客様の負担となりますため、キャンセルの場合は着払いでのご返却となります。
ロジックボード上の洗浄と修理作業
ここから、実際の修理作業となってきます。まずは基板にこびりついている緑青(りょくしょう)をイソプロピルアルコール等数種類の洗浄剤を用いて洗浄していきます。
ジュースだと糖分が含まれているため、どうしても完全に取り除く事が難しいのですが、残ってる場合もしっかりと測定等を行い、数値に問題が無い事を確認します。
何とかここまでの洗浄を行いました。かなりこびりついていたりしたため、これだけでも一時間程度は洗浄しています。
確認した所、トレースといわれる電気の通り道がいくつか破損していましたので、修復を行いました。
後は水没により破損や無くなってしまっている、細かなチップ抵抗やコンデンサ等の部品を交換していきます。
米粒の半分以下のサイズのため、慎重に交換作業を進めていきます。
全ての交換作業と、測定を行い、アダプタを繋ぐと無事にランプが点灯しました!
動作確認とテスト作業
電源が入るところまでは修理できましたので、動作に問題が無いかの確認をしていきます。
水没による故障の場合、電源は入っても様々な不具合が起きる可能性があります。動作に問題が無いか、厳しいチェック項目に従って確認をしていきます。
今回は、特に全ての動作に問題がありませんでした。
修理できるか心配な状態でしたが、無事に修理完了となりました!
今回かかった時間と料金
今回の作業は5時間程でした。細かい部品を大量に交換した事や、分解やテスト・確認作業があるので、案外時間がかかってしまいます。
さて今回実際かかった費用ですが、
充電回路修理費用…28,800円+送料(約1,400円)
となりました。特に追加の修理もありませんでしたので、最初の見積もり内での修理となり、お客様にも大変ご満足いただきました。
今回の修理のように、水没で充電しなくなった等の症状が出てしまった方は、是非当店にご相談ください。
もちろん、お見積もりやご相談だけでも大歓迎です! スタッフ一同心よりお待ちしております!!