【水没】MacBookAir 13インチ 2015 A1466の修理

佐賀県、U様からのご依頼
使用中にMacにお酒をこぼしてしまい、そのまま電源が落ちて、全く起動しなくなったとのご相談。
水没と呼ばれるこの修理は、どこまで故障しているか、見てみないと分かりません。最悪修理の対応が出来ず、ロジックボードの交換の診断となってしまい、お客様のご予算オーバーでご返却となるケースもよくあります。
ロジックボードの故障であれば、2015年モデルまでの場合25,000~35,000円ほど、その他キーボード等も故障していればプラス料金が発生ご案内し、了承をいただいたため作業開始となりました。
因みにモデルにもよりますが、ロジックボードの交換の場合は、最低でも50,000円、高ければ10万円を越えるような修理になる場合もあります。
分解と調査
まずは状態を確認します。アダプタを取り付けると、ご存じの通り通常緑またはオレンジに光るランプが、一切光りませんでした。
この状態でFANが回る場合は、I/Oボードという部品が故障している場合が多いのですが、残念ながらFANが回る音がしませんでした。恐らくは電源回路の序盤の問題とアタリをつけます。
分解してみた所、随分と激しく水没していました。「これ修理で対応できるかなぁ…?」と思いながらも、調査をすすめていきます。


見事に水没していますね。チップが一部だけ水没してるとかだと良いんですが、ここまで広範囲だと他店ではそもそも修理を行おうとせず、ロジックボードの交換対応となる場合がほとんどです。
まずはこれを、専用の洗浄剤や、イソプロピルアルコール等で除去していきます。飲み物の種類によって、熱を加えたり、使う薬剤を変えたり、汚れを落とすためにクリーニング屋さん並に洗浄剤を使い分けます。
水なら楽なんですが、実際には糖分の入った飲み物や、お酒、タンパク質入りで落ちにくい牛乳等、色んな物をこぼされる事がありますので、それぞれ違った方法で洗浄を行います。

完全には無理ですが、動作に問題が無いレベルまでクリーニングを行いました。
その後、腐食していたパーツやICの交換を行い、電源が入る所まで確認が取れました。
しかしまだ安心はできません。電源は入るようになっても画面が映らなかったり、キーボードまで故障していて交換が必要との診断となった場合は、お客様に追加料金がかかる案内をしないといけません。
追加がかかるようなら予算オーバーな為キャンセルとなった場合、ここまでしても泣く泣く無償でのご返却となります。修理ができなかった場合は料金は一切いただいておりませんので、作業を行ってもそのままご返却となります。
今回は電源が無事に入るようになり、キーボードや全てのデバイスのテストも正常でしたので、広範囲の水没でしたが、ロジックボードの修理作業のみで作業完了となりました。
今回かかった時間と料金
今回かかった料金ですが、水没の範囲が広範囲だったため、洗浄作業に結構時間がかかってしまいました。しかし、基板の修理のみでしたので事前見積もり範囲内での修理となりました。
水没修理費用…28,800円+往復送料(約3,000円)
修理にかかった時間ですが、4時間程です。汚れが頑固だったのと、結構な量の腐食パーツを交換しましたので、意外と時間がかかりました。
その後お客様の元へご返却し、無事に動いているとのご連絡をいただきました。
お客様にも大変喜んでいただき、当店としましても大変嬉しく思いました。
今回の記事のように、「水や飲み物をこぼしてしまった」「以前こぼしてしばらく使えたけど、起動しなくなった」
等の症状があれば、是非当店にご相談ください。必ずお客様にあった修理のご提案をさせて頂きます。